今日の記事では、批評家や視聴者から高く評価された、めちゃくちゃ泣ける映画を厳選してみました。興行的に大きな反響がなかった作品や、相応の注目を集めなかった作品は除いています。ですので、このまま続きをご覧になって、まだ見ていないけれど鑑賞しながら感動できる映画をぜひチェックしてみてくださいね!

  1.『フルートベール駅で』(2013年)

本作は、2009年の元旦に白人警察に射殺されたカリフォルニア州オークランド出身の22歳の黒人青年、オスカー・グラント3世の実話をベースに描いた作品です。2009年はスマートフォンが普及した年であったことから、CCTVだけでなく、一般人のスマートフォンのカメラでも撮影され、その結果、この殺人事件は広く世間に知れ渡ることになったのです。

今や伝説となった犯罪スリラードラマ『THE WIRE/ザ・ワイヤー』のウォレス役でしか知られていなかった俳優マイケル・B・ジョーダンが主役を務め、本作で好演だったことから以降ブレイクしました。同じく本作を製作したライアン・クーグラー監督は、その後の2018年公開映画『ブラックパンサー』と『クリード チャンプを継ぐ男』の2作品でも、マイケル・B・ジョーダンを起用しています。

また、アカデミー賞受賞者のフォレスト・ウィテカー監督も本作の製作に携わっています。実話を忠実に再現した本作は、人種差別という哀愁を超えて、壮大な人生の賛美に至っている作品です。まさに必見の一本といえるでしょう。

  2.『はじまりへの旅』(2016年)

元活動家のベン・キャッシュ(ヴィゴ・モーテンセン)とその妻レスリーが、現代の資本主義文化を捨て、太平洋岸北西部の大自然の中で6人の子どもを育てるというストーリー。自分たちの力で食べ物を育て、狩りをし、ブートキャンプ式のトレーニングで自然の中で生き残っていく方法を訓練させ、文学、音楽、左翼思想の哲学を教え込みます。クリスマスのお祝いはせずに、思想家ノーム・チョムスキー博士の誕生日を祝う家族でした。そんなある日、この型破りな家族はある一本の電話で衝撃的な事実を知り、サバイバル生活を捨てて、アメリカの現代社会に復帰せざるを得なくなるのでした…。

映画『グッドナイト&グッドラック』を手がけたマット・ロス監督によって製作された本作は、オルタナティブなライフスタイル、最先端テクノロジーがもたらす影響、良い子育ての本質について改めて考えさせられる作品となっています。主演を務めたヴィゴ・モーテンセンは、白髪交じりの父親役を見事に演じきり、ゴールデングローブ賞とアカデミー賞の主演男優賞にノミネートされました。ジョージ・マッケイをはじめとする子どもたちのキャストも素晴らしい演技を見せています。物語はユーモラスであると同時に、感情的に訴え、観客に深い考察を与える作品といえます。ベン・キャッシュが最高の親なのか、あるいは最悪の親なのかについては意見が分かれるでしょう。

  3.『ウインド・リバー』(2017年)

2017年に公開された映画『ウインド・リバー』は、『ボーダーライン』や『最後の追跡』で知られるテイラー・シェリダン監督が手がけた傑作で、壮大であると同時に、悲劇的な作品でもあります。物語は、ネイティブアメリカンの居留地で地元の少女の死体が発見され、新人捜査官ジェーン・バナー(エリザベス・オルセン)が事件を解決しようとするところから始まります。ところが、捜査に苦労したジェーンは、過去に問題を起こしたことがある敏腕ハンターのコリー・ランバート(ジェレミー・レナー)に協力を依頼します。

冒頭のほうは本当に退屈なシーンが続いているので、すぐにハイペースな展開になることを期待しないでください(笑)。しかし、物語が進んでいくについてすべての筋が通っていきます。そうなると、アクション満載であるだけでなく、ネイティブアメリカンの描写も深く、切なく感じるようになります。本作がまだ広く知られていないのは驚くべきことで、ここ20年間で最も優れたミステリー映画の一つであることは間違いないでしょう。